小説第二弾は、やはり王道でしょう!
ということで、由美姐さんと志々雄様でございます。
由美さんが亡くなる時に何を思ったんだろう、という妄想の産物です。
由美さんの独白?のような感じになっています。
それでもよろしい方はつづきからどうぞ。
あ、誤字脱字などありましたら、拍手かコメントでご指摘いただけるとありがたいです。
最期に見たのは燃えるような紅い空だった・・・
貫かれた瞬間、激しい熱が全身を駆け巡った。その後、どろりとした生暖かい液体が身体から溢れる。
何が起こったのか考える間もなく身体から力が抜け、崩れ落ちる。その刹那、私の視界に血を噴出す赤毛の男が映った。
朦朧とする意識の中、自分を支えている彼の人の体温を感じた。
常人ならざる、熱を持った貴方。
あぁ、私は何て幸せなのだろう。
「こいつは誰より俺を理解し、俺は誰よりこいつを理解している。」
何というもったいないお言葉だろう。
貴方についてゆくと決めた日から、私の命は貴方の物。
「私」という存在は貴方がおられるからこそ成り立っているのです。
貴方が治める日本をこの目で見ることはできないけれど、日本を掌握され、覇道を突き進む貴方のお姿は鮮明に想像ができるのです。
何者も省みぬ貴方にとって、少しでも意味のある存在になれたのなら・・・
貴方の勝利の礎となれたのなら・・・
何て、何て私は幸せなのだろう。
「勝って・・・勝って下さいませ、志々雄様・・・由美は地獄でお先にお待ち申し上げております・・・」
最期の力を振り絞って勝利を祝えば、見間違えであろうか、貴方は今にも泣き出しそうな顔で微笑んだ。
抜刀斎さえ亡き者にすれば、この日本は貴方様の物。
戦いが全ての貴方の役に立てた。それだけで、由美は幸せでした。
後悔などない。地獄など怖くはない。これからは、日本を掌握する貴方を地獄の底でお慕いし続けております。
薄れゆく意識の中で最期に見たのは貴方の熱が移ったように燃えている茜空。
貴方を表す赤が哀しい色をしているのは何故だろう?
***
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。文章力が喉から手が出るほど欲しい夢路です。
由美さんが亡くなる場面は、「るろうに剣心」の中で唯一泣いた場面でありました。由美さんは「戦いの中で役に立てて幸せ」と語っているように、死の間際まで志々雄様を慕っていたんですよね。きっと死への恐怖や、自分一人が死ぬことへの孤独感などは一切なかったと思います。
それは由美さんの愛が「捧げる愛」だったからではないかと。志々雄様が無事であれば、自分はどうなっても構わないという献身的な愛。
一方、志々雄様の愛は一緒に燃え尽きようとする激しい愛なのではないかな、と思います。
由美さんは志々雄様の身を案じていても、誰よりもその勝利を信じていたのではないでしょうか。由美さん、もうまさにいい女!!由美さんが思うよりも志々雄様は由美さんを愛していたと思うので、由美さんの死は志々雄様にとってショックであったはず!!由美さん好きとしてはそう信じてやみません。
[26回]
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